酒母(または‘もと’)【※2】は、水・麹・蒸米で造られ現在、『速醸系酒母』と『生もと系酒母』にわけられます。酒母は、酵母【※1】を育てるのが目的です。乳酸【※3】は酵母を他の雑菌から守ってくれる働きがあります。つまり、酒が健全な発酵をするために乳酸はなくてはならないものなのです。

山廃酒母は、『生もと系酒母』の一種で生もとの作業工程にある山卸(水・麹・蒸米を桶に入れ時間ごとに数人で摺り潰す作業)を廃止したため‘山卸廃止もと’略して‘山廃もと’と呼ばれています。空気中の乳酸菌がタンクに乳酸を作ってくれるのを待つのが特徴です。そのため雑菌の汚染にもさらされやすく育成には一ヶ月ほどかかり作業も複雑です。一方、『速醸系酒母』は、人工の乳酸を添加して造られ作業も生もと系と比べれば容易で育成も二週間ほどで完了します。

昔ながらの生もと系に対し、およそ100年前に発明された速醸系は近代的な技法といえます。現在、速醸の技術が発明されてからは『速醸系酒母』が大勢をしめており、労力や日数が多く必要とする山廃酒母を含む『生もと系酒母』は一部の蔵元でしか造られておりません。

しかし、山廃酒母独自の力強い幅のある飲み口は、お酒ファンを魅了しているのも事実です。

当社では、純米大吟醸山廃仕込純米吟醸山廃仕込「越後の蔵秘伝」等に伝統の技を受け継いでおります。お試し下さい。

※1 酵母・・・
 アルコールを造る菌。また香りや味も作ります。麹の力で甘くなった蒸米を栄養源としてアルコールを造ります。日本酒用の酵母です。ワインにはワイン用の酵母、ビールにはビール用の酵母がそれぞれあります。

※2 酒母(もと)・・・
 酵母菌を増やす酒造りの作業。タンクに水・麹・蒸米をいれ、日本酒用の酵母を添加します。この酵母だけをたくさん増やせるかが重要です。大きい仕込みの前に小さい仕込みで酵母菌を増やしていきます。この時、雑菌の繁殖を防ぐため乳酸が必要となります。

※3 乳酸・・・
 ヨーグルト等に使われる乳酸菌が作りだす酸。乳酸により酒母タンクの中を酵母が増えやすい状態にし、雑菌の繁殖も防いでくれます。この乳酸をいかに得るかにより生もと系酒母と速醸系酒母に分けられます。

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